〈ひかり〉お菓子は趣味

〈ひかり〉の女性入居者さんというのは、料理の大ベテランであることは間違いありません。職員と比べても、経験年数からいえば、比べるのもおこがましいほどの達者です。
 数えれば、気が遠くなるほどの回数、皆さんは料理を作ってきました。家族ため、ご両親のため、親しい誰かのため、その他諸々――台所に立って、食材を選ぶことも、包丁を使ったり、鍋で煮物を作ったり、フライパンで何かを炒めたりすること、そういった作業は、ほんとうに体の一部のようになっていて、皆さんにとっては、少しも特別なことではないのでしょう。

 なのですが、お菓子作りは別です。お菓子はただ美味しくいただくというだけでも楽しいのですが、つくることにも楽しさがあります。自分で作って食べる。この楽しさは、自分で料理ができる人にとって、もしかすると格別なもので、食べることが専門の私には、残念ながらわかりません(笑)。
〈ひかり〉の皆さんがどれほど楽しく、自分たちが食べるお菓子作りを楽しんでおられるのか、その様子を収めた動画を見ていただければ、わかっていただけるかと思います。

 ブログのタイトにした「お菓子は趣味」の趣味ということ。とても有名な小説家の平井和正氏は、人が心底楽しめるものは趣味だと書いていました。
 いままで数えきれないほどキッチンに立ってきた〈ひかり〉の皆さんですが、その多くは、家事労働としての料理であり、先の平井和正の言葉を借りれば、『趣味』としての料理を作楽しんだということは、もしかすると少なかったかもしれません。そんな皆さんが、いま自分たちのために、お菓子を作り、皆で一緒に食べる。楽しそうな笑顔をご覧ください。
 お菓子作りも〈ひかり〉のレクリエーションのひとつなのですが、ただ食べるだけではなく、自分で作って食べるということで、楽しさが一回り大きくなっているように思ったりします。だからお菓子関連のレクリエーションには、つくるという要素――創作の要素を入れています。
■お菓子は趣味

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