〈ひかり〉枠を破る

■大いなるリビング

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 前回のブログで、《ひかり》のリビングの天井の高さは3.8メートルと紹介しました。オープニング動画、何とか高さを感じてもらおうと思ったのですが、難しいです。《ひかり》におけるリビングはとても重要です。そこは利用者さんにとって、憩いの場、という以上の意味を持っています。仮に廊下を、運動場もしくはスポーツジムみたいなものだとすると、リビングルームはさしずめ多目的ホールといったところです。
 この後の動画で紹介させてもらいますが、雨の日、静かに文化に親しんだり、賑やかにお祭りや西瓜割に興じたりと、いろいろなことに使っています。ほんと、最近は雨の日が多いです。
《ひかり》の文化活動にはいろいろあります。
 例えばウクレレ演奏隊《ukulelen.》もそうです。利用者さん用の打楽器等々も用意してあります。ですので、職員が演奏して利用者さんに楽しんでもらうというだけではありません。そういう場合ももちろんありますが、どうせやるなら一緒に楽しもうが《ひかり》のコンセプトです(笑)。そのコンセプトがもっとも顕著に現れたのが、『第一回ひかり演劇祭』だった、と私たちは考えています。利用者さんと職員は、時に演者、時に観客、混然一体となって演劇祭を楽しみました。
 そして、《ひかり》の文化活動の中に、書道があります。
リビングルームの文化活動

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 いまどきの私たちは、文字は書くというより、キーボードで叩きだすもの(^-^; という感じです。余談ですが、皆さんよくご存知の『機動戦士ガンダム』。あの続編『Ζガンダム』の小説版の中に、「この時代文章を書くのはキーボードが当たり前で、手で書くと文章の体をなさい」というような一文があったような気がします。読んだときは「まさかね」と思ったのですが、いやいやそうでもありません。私など着実にその道を歩みつつあり、不安を覚えたりもします。文学は書字の運動だったと有名な書道家の先生も言っていました。筆で書く文字はいいですねえ。上手に書ける人がうらやましいです、いやほんと。

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 閑話休題。《ひかり》の利用者さんたちにとって手書きは普通でした。だから、文字がとてもお上手です。そしてもうひとつ、《ひかり》には書道を本格的に習った職員がいます。手書きが身近にあった利用者さんたちと書道という大切な文字文化を習っていた職員、こういうのを幸せな邂逅とでもいうのでしょうか。

■賑やかなリビング

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 書道という文字を通して自分と向き合う静けさの後は、思い切り開放的に、夏祭りで歌って踊ってということになります。
《ひかり》のリビングは限られた空間ですが、その限られた空間の中で、静と動がダイナミックに繰り返されている。ちょっと気取っていえばそういうことになります(笑)。

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 利用者さんの生活は、限られた空間の中が、どうしても中心になってしまいます。言い換えると、利用者さんは《ひかり》の建物という限定された枠の中で生活しています。だから職員は、少しでも枠をはみ出そうとあれこれ考えます。
 しかし、職員だけでは、枠を破ることは不可能です。
 利用者さんの協力があってこそ、枠を超えて、愉快を広げていくことができます。

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