〈ひかり〉新年を寿ぐ気持ち

 アニメでも有名な禅宗の僧一休さんは、正月はおめでたばかりじゃないよと言ったそうですが、確かに普通の一日として考えれば、
「めでたくもあり、めでたくもなし」
 と、いうことになります。一休さんの言った意味は少し違いますが、ここでは触れません。
 確かなことは、1月1日をわざわざお正月にしなくても、人は生きて行けるし、生活だって、それほど困るとは思えません。最近の暮らしでは、昔ほど、お正月に対して特別な思い入れもないように思えます。少しまとまった休みが取れる頃、という程度に感じている人も多いかもしれません。

 お正月を特別な日にするのは、結局、心の持ち方というところでしょうか。心というとらえどころのないものを、とらえるために、敢えて言えば、特別な日が必要なのではないかと、そんなふうに考えることがあります。
 お正月という区切りをつける日がなければ、日々はずいぶん退屈なものにななるように思います。お正月に限ったことではなく、誕生日やそのほかの特別な日も、すべて、考え方や心の持ちように区切りをつけるためのもの。昨日と今日をはっきりと分けることで、人は新たな気持ちになってまた日々を始めることができる。

 日々に変化を持たせるということが、いかに大切なことかは、入所施設にいるとよくわかります。
〈ひかり〉の暮らしにそれほど大きな変化があるわけではありません。何もしなければ、本当に変化のない日が淡々と過ぎていきます。そうならないように、私たち、職員はあらゆるものを利用します。お正月も、利用します。
 日々の暮らしに変化を持たせ、お正月ならお正月らしく、新しい一年が始まったと入居者さんに思っていただく。そして新しい年はきっといいことがあると思ってもらいたい。そのためには、笑わなければ。今年も年初から思い切り笑ってもらいました。
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■年の初めの初詣

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