〈ひかり〉甘い生活

f:id:miraireport:20220322143215j:plain■どら焼きの味

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 人は甘いものが好きです

 と、いうのも、人は甘みを感じる味覚を先天的に持っていて、この甘いという味覚は、脳内の心地よさを感じる部分に働きかけるから、というのが理由のようです。
 難しい話はさておき、人と甘い生活は、切っても切れない関係にあります。ただし、
「甘いものを食べれば心地よくなる。だからどんどん食べよう」
 とはいきません。甘いものを食べ過ぎれば健康に悪影響が出ます。もっとも、これは甘いものに限ったことではありません。何事も、ほどほどに楽しむことがよいということでしょう。

 甘いものに限らず、わたしたちが楽しいと感じることには、何某かのリスクがついて回ります。と、いうか普通に道路を歩いていてさえ、リスクはあります。だからといって、リスクを完全に排除した暮らしは、まったく楽しくないはずです。そもそも、普通の生活の中から、リスクだけを選び出し、完全に排除することなど不可能です。

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 危険だからと、自由に動くことさえ許されないならば、確かに安全かもしれませんが、そんな暮らしは少しも楽しくないし、生きている実感さえほど遠いものになるかもしれません。
「いや、そんなことはない。安全がまず第一で、そのためにはリスクは可能な限り排除するべきだ」
 と、いうのはリスクを冒しても生きている、わたしたちの勝手な言い分です。自分が安全のためにあらゆることを制限された暮らしを強いられて、ほんとうに耐えられるのかということを、わたしは常に立ち止まって考えるようにしています。

 常にと書きました。
 認知症グループホームで仕事をしているわたしたちは、利用者さんのリスクに対して、どうしても過敏になってしまうところがあります。その一方で、自分の冒しているリスクには鈍感なところがあります。常に自分の在り方について考える必要があるとわたしが考えるのは、そういった理由によるものです。
 甘いものを食べると心が落ち着くからといって、来る日も来る日も食べ続けることは危険です。しかし、だから甘いものは厳禁、となるとそんな暮らしはたぶん長く続けられないと思います。すべてを禁止することも、どんなことでもお好きにどうぞ許してしまうことも、同じように、危険なことだとわたしは考えています。

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 バランスの問題。
 一言で言ってしまえばそれまでのことですが、これは非常に難しい。なぜなら、何が危険かは、人によって異なるからです。ここのところが理解できていないと、見当違いのことをしてしまいます。例えば、お酒を全く飲まない人に、禁酒を進めるようなことをやらかします。笑い話のようですが、実際にこういうことはよくあります。
 わたしたちの仕事はその人を知ることに多くの時間を費やさねばなりません。その人らしい暮らしとは何かを知るために、その人を知らなければならないという、当然の理屈です。
 そこの部分が不十分ですと、「安全、安全」と言いながら、それは利用者さんにとっての安全なのか、職員にとっての安全なのか、曖昧になってしまいます。また、ご本人に納得して頂くことも、その人を良く知ったうえで話し合ってこそ、可能になることです。
 施設に入っているのだから仕方がないではなく、施設に入っているからこそ、可能な限り、自由に楽しんでもらいたい。難しい事ですが、それを考えます。

 甘いものから話を広げすぎました(笑)。甘い生活に話を戻すと、ひかりのレクリエーションには甘いものの登場回数が多いです。甘い生活を楽しんでいる利用者さんの幸せそうな笑顔をご覧いただき、一緒に甘いものを食べてみるというのはいかがでしょうか。
 ちなみにわたしは、あんこの入った、素朴な、大きなお餅が好きです。

■あま~い、生活

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