今日も〈ひかり〉では元気な笑い声が聞こえます。
私も就職し、早いもので2か月が経ちました。みなさんの笑い声、入居者さんだけではなく職員の笑い声も、みんなわたしの日常になっていることに気づきます。
「ひかりは、ほんとうに笑い声が絶えないなぁ。いいなぁ」
そう実感しています。
笑う。とても良いことです。
笑うことによって、脳が活性化され、記憶力が鍛えられ、リラックス効果があり、免疫力もアップする。ほかにもたくさん効果があります。ほんと、至れり尽くせりのようです。笑っているふりをしても脳は騙せるといいます。口角をあげて、笑ったような顔を作る。それでも脳は笑っていると感じるらしいです。脳も騙されるんですね。
でも、どうせ笑うなら心底笑いたい。そう思いませんか。
〈ひかり〉ではよく笑いの連鎖が起きます。ひとりが笑い始める。次の人が笑う、それからまた次の人、と笑いの輪が広がって行き、最後には皆が涙を流して笑っている。ほんとうに素敵な光景です☺。
笑いの輪が広がって行くきっかけは様々です。職員の声かけひとつでも、入居者さんは笑い始めます。時には、入居者さんの巧みな話術で職員が笑い、そこから笑いの輪が広がって行くこともあります。そんな時、入居者さんはさすがに人生の大先輩だなと感心します。入居者さんが作ってくれた素敵な空間と幸せな気分のお裾分けを頂いている、そんな気分になります。
職員が提供するものは、もちろん笑顔だけではありません。
入居者さんが困っているとき、職員は良き相談相手になろうとします。その困りごとが、解決できるか、できないかの前に、職員は何よりも入居者さんの良き相談相手であることが大切です。
入居者さんがご家族のこと思い出し、
「家に帰りたい……」
と悲しんでいるときは、その方の思いを傾聴します。
感心したのは、必ず目線を合わせて入居者さんの話を、しっかりと伺うということです。決して否定はしません。共感的傾聴。相手の言葉に対して、こちらから口を挟まず、頷き、相槌を打って、相手の思いの底まで聞き取ろうとします。傾聴するというのは、こういうことなのかと、〈ひかり〉に来て初めて知りました。
話を聞き終わったと入居者さんが、
「ありがとう、ありがとう……」
と、言いながら泣いているのを見て、支援をするということは、日々の生活のお手伝いだけではないのだということを知りました。それも大切な支援ですが、それと同時に、入居者さんが安心するまで話を聞き、楽しいことにも、悲しいことにも、しっかりと向き合うこと、それが寄り添うということであり、とても大切な心の支援なのだと、勉強させてもらいました。
〈ひかり〉の入居者さんは、ご家族と長く暮らした自宅を離れ、ここに来られ、そして生活をしています。いつも心の隅には、ご家族さんと家への思いがあります。寂しさは消せないだろうし、家族への恋しさはもっと消せないと思います。自分が同じ立場なら、きっとそうだと思います。
家族にしても、
「今日はどうすごしているのかな」
とか、
「何を食べているのかな」
とか、入居者さんのことを想っているはずです。入居者さん、わたしはここまでそう書いてきました。でも、入居者さんという人は一人もいません。それぞれに名前があり、自分の歴史と家族の歴史を持っています。
もしかすると、職員は、入居者さんの思いだけではなく、〈ひかり〉に送り出してくれた家族の思いも、背負っているのかもしれません。
それぞれの思いに応えるために、一日の始まりには、
「おはようございます」
そして終わりには、
「失礼します。おやすみなさい」
そうしっかりと伝えて、一日一日を、笑顔で暮らしていければと願います。
それが〈ひかり〉での暮らしであってほしいと願います。
※今回のショートムービーは新職員の制作です。