〈ひかり〉 職員インタビュー(2)

 前回のブログに引き続き、ひかり職員のインタビューです。

 ――育成会の理念についてどう思われますか?

 理念ですか? いきなりですねえ(笑)。でもまあ、育成会職員としてはいつも意識していないといけないですよね。
 理念を覚えてるかって? ひかりの理念は覚えてますよ。これはいつでも言えます。育成会の理念は、……何とかできると思います。

 ――理念を覚えているんですね。理念を暗唱できるってすごいと思いますよ。

 褒めすぎですよ、それ(笑)
 いや、そんな、全然すごくないです。誰でも覚えられると思います。覚えようと思った理由ですか? やっぱり自分の働いている事業所と法人の理念ですから。覚えた方がいいんじゃないかと……。なんか消極的ですみません。

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 ――いえいえ、そんなことはありません。で、理念についてどう思いますか?

 また、難しいことを言う。
 とっても難しいですよね、その質問――笑わないで聞いてくださいね。
 あのですね、理念というのは、問題の答えみたいなものだと思います。変な喩ですけど、そう思うときがあります。問題の答えはもう出ているんです。でも、どうしてその答えになったのかについては、わたしたちが考えることなんだと思います。
「正しいから正しいんです」
 じゃなくて、何をどう考えたからあの言葉になったのか、それを考えることが大切なんじゃないかと思います。
 ひかりの理念は皆で考えました。法人の理念も、きっと色々な人が時間をかけて考えたんだと思います。理念を読んで、どうしてそうなのかと考えること、それが大切なんじゃないでしょうか。どんな思いがあの理念にこめられているのかを考えてみる。そうすることで理念の持っている大切な意味みたいなものが、深く自分の中にはいってくる。わたしはそんなふうに思ってますけど。

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 ――理想の支援については、どうお考えですか?

 それも、難しい質問ですよ。何が理想かなんて一口では言えないですね。
 それでもあえて言うとしたら、入居者さんにはそのまんまでいてほしいということです。よく自分らしくって言いますよね。でも自分らしいって実はかなり曖昧な言葉じゃないですか。
 昨日の自分と今日の自分が全く同じかって言われると、なんか違う気がしますね。十年前の自分と今の自分を比べたら、もう全然違うと思いませんか。
 入居者さんだって、お若いころの自分と今の自分ではもう別人のように違うんじゃないでしょうか。でも、やっぱり自分は自分。具体的に言えば、今の自分を否定されず、ありのままみとめてくれること。お若いころはね、もうそのまんま認められていたと思うんです。歳をとったら自分を否定されるなんて、間違ってますよね。今の利用者さんをそのまま受け入れることが、わたしの考える理想の支援かもしれません。
 それって、私がそうしてもらいたいからということでもあります。歳を取って、衰えて、できていたことができなくなっていきますよね。それは誰でもそうです。例えばわたしは料理をするのがとっても好きです。でも、好きな料理をしたいときに、「危ないからだめ」って言われたくないです。
 もちろん現実的に考えると難しいことはいっぱいあると思います。自分の希望することがすべてできるってことは、残念だけどないと思います。でもそういうときでも、説明は受けたいですね。わたしが、わかってもわからなくても一生懸命説明してもらいたいいです。
 ダメならダメで、なぜそれがだめなのか、きちんとした説明を受けたいです。どうせわからないだろうと思っていい加減に答えることって、必ずわかると思います。ああ、この人いい加減なこと言ってるなって。第一、適当に返事をするなんて相手の方に失礼でしょう。歳をとったわたしは、相手の言っていることが十分わからないかもしれません。でも、その人が本気かどうか、一生懸命説明をしてくれているのかどうかは、必ずわかると思います。
 理想の支援の話でしたね。
 私が考える理想の支援ってこんなものですって言えればいいんですけど、正直かなり難しいです。何が理想かは、支援をさせていただいている人によって違いますから。だからわたしが理想とする支援は、その人を理解して、その人にあった支援を一生懸命することではないでしょうか。なんだ、当たり前のことを言ってますねわたし(笑)。でも、ほんとにそう思います。

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