〈くらしサポートゆっくる〉新型コロナ感染予防対策 想定訓練の実施 

「くらしサポートゆっくる」は、三重県の伊賀地域に16のグループホームを運営しています。障がいをもたれた方が、住み慣れた地域で安心して生活いただけるように支援する事業所です。

 

今回のブログでは、グループホームでの新型コロナ対策について、私たちが行っている取り組みについて紹介をしたいと思います。

 

まず以下に、厚労省が発信している自治体向けのQ&Aの一部を示します。

(出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000634929.pdf

 

グループホーム新型コロナウイルスの感染者が発生した場合の対応如何。

(回答) 5月4日付け事務連絡により障害者支援施設における新型コロナウイルス感染症発生時 の具体的な対応が示されたところである。 グループホームの利用者について、新型コロナウイルス感染症の患者が発生した場合については、感染症法に基づく入院措置が行われることとなるが、「軽症者等」(「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」(令和2年 4月2日付厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進 本部事務連絡)本文にいう「高齢者や基礎疾患を有する者など以外の方で、症状がない又は医学的に症状が軽い方」をいう。以下同じ。)については入院しない場合があり、グループホーム内で療養する場合に備え、当該事務連絡を参考に、必要な準備や感染症対策等を行うこと。 その際、グループホームは、看護職員の配置や1日を通じた常時の人員体制が必須とされておらず、また、小規模な住居であること等、障害者支援施設とは環境が異なる点があることを踏まえ…(以下省略)。

 

文面の中で気になる部分は『軽症状者等は入院しない場合があり…』   の部分ですね。利用者の方の感染が判明した時、もしくは疑われる場合、そこにもいろいろな想定が考えられます。

つまり、自分たちの居住空間が『療養の場』となることも十分考えられるわけです。

したがって、グループホームにおいても感染に対する基本的対策の周知が必須で、利用者の方や支援者の安心安全を担保しなければなりません。

 

そこで私たちは、『ホームで暮らす利用者の方が新型コロナに感染した』という想定の下、その感染対策訓練を実施することにしました。

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訓練当日、他ホームの職員も駆けつけてくれて関心の高いようすが見受けられました。

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訓練が始まりました。センターからホームへ、想定である利用者のPCR検査結果『新型コロナ陽性』が伝えられると、まず支援者がガウン・手袋等防護服を着用し自分の身を護るところから始まります。

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並行してセンターからホームへは、有事の際の『指示書』がFAXされます。現場の支援者は原則この手順に従い、対応を進めます。こういった非常時のマニュアル・手順書が存在することで、現場の支援者は有事の際も慌てず冷静に行動することができます。

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次に重要な手順である『ゾーニング』を行います。ゾーニングとは、清潔な区域(清潔区域)とウイルスによって汚染されている区域(汚染区域)を 区分けすることをいい、前者を『グリーンゾーン(緑)』後者を『レッドゾーン(赤)』その中間地点をセミクリーンとして『イエローゾーン(黄色)』のように、色で視覚的に区分けしていきます。加えて動線も規制するため右側通行として人の往来による感染を防ぐよう、さらにビニールシート等による『仕切り』も実施していきます。

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続いて屋内の消毒・換気を行い、各利用者のバイタルチェックを実施します。今回、利用者の方々にはあえて訓練実施の事前通知はおこなわず、より本番に近い形での訓練を想定しました。突然ガウンを着た支援者が現れたことに、いささか緊張した面持ちの利用者さんでした。

バイタルチェックを終え記録したところで、ここまでの実施状況を対策本部としているセンターへ電話等で一旦報告します。ここまでの手順はどのグループホームにおいても共通の事項となります。

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そして今回は、固有の想定として『感染状況下での食事提供』の訓練を実施しました。平時であればホームにある食器を使うのですが、感染下では使い捨てが望ましいので、食材等を容器へ移す作業が発生します

(※グリーンゾーンのため職員はガウン等防護具を身に着けていません)。

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レッドゾーン(汚染区域)で各居室への配膳を担当する支援者。

原則個食(居室での食事)となるため、平時と比べより多くの時間が必要になることも今回分かったことでした。このように非常時の食事についてはホームの形態によって様々な想定がありうるため、今後の検討課題のひとつでもありますね。

本番では、食べ終わった容器類は回収し廃棄物として取り扱い、別処理されます。

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さて、訓練も終わりに近づきました、皆さんでガウン等の脱着方法について確認します(ガウンテクニック)。

本番では頻繁な脱着が予想され、それにより自身が感染してしまわないよう、しっかりと基本を確認します。

今回は、コロナ禍という誰もが特有の経験値が少ない状況下での想定訓練でしたが、訓練中にはさまざま意見・質問が出て、それぞれが自分たちのホームではどうしていけば良いか考える機会になりました。

また、漠然としていた感染時の対応がよりリアルなものとして我が身に迫ってきたという、支援者の意識の変化にもつがったのではないでしょうか。今後ともいろいろな想定の下、検証を重ねての訓練実施を予定しています。

 

大事な命、暮らしを守るために・・・

 

まずは、日々習慣化されている『手洗い・うがい』の励行を!

皆さんも徹底していきましょう!!

 

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私たち『くらしサポートゆっくる』は、個人の実情や希望に合わせた生活環境の提供を行い、住み慣れた地域で自立した日常生活または社会生活を送ってもらえるよう、これからも支援を続けてまいります。

 

前回の記事はコチラ ↓↓

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