かき氷の歴史。
人に歴史あり、ものに歴史ありです。かき氷の歴史をたどってみると、平安時代に帰属が食べていた削り氷に行きつくといいます。今と違います。冷蔵庫のなかった時代の氷ですから、もうそれだけで、どれだけ高価なものだったのか想像できます。だからかき氷は貴族などの特権階級の食べ物でした。
しかも平安時代の貴族はただ削っただけの氷を食べていたわけではありません。甘未もありました。甘蔓(アマヅラ)というツタ性植物からとった甘味料をかけていたということで、こちらも氷に劣らず高価で希少でした。
我々のような庶民がかき氷を食べられるようになったのは明治以降のことです。たかがかき氷、されどかき氷です。
今回〈ひかり〉の利用者さんにはただかき氷を食べてもらうだけではなく、ご自分で氷を削って頂きました。
理由。その方が楽しいから。日本人の味覚には味以外にも歯ごたえがあるということ。食べ物を口にして噛んだときの感覚も、美味しいかどうかの決め手になるという、食べることについては実に繊細な人たちなのだということがわかります(※くわしくは『イギリスはおいしい』をどうぞ)。
かき氷なら、そこに音を加えてもいいかもしれません。氷を削る時の
シャッ シャッ シャッ
という音。
もうそこからかき氷を食べ始めているような気分になります。
■ヒヤリ!