職員が思うことは、利用者さんの思いを知りたいということではないでしょうか。支援といいますが基本的には人間関係の構築です。信頼を得るためには相手に自分を理解してもらわなければなりません。相手に理解してもらうためには、まず相手を理解してなければなりません。私たちの仕事では、相手の想いを知らないと支援が機能しない場合があります。だから、利用者さんの思いについて考えない職員はいません。その思いに深浅はあるにせよ、時々において、
「この人は何を考えているんだろう」
と、思うはずです。
と、いうことで今回のブログは職員の誰かということではなく、職員皆が考えているだろうということで、私ではなく職員全員『私たち』とさせていただきました。
さて、相手の想いを知りたいというのは何も仕事に関係したことばかりではなく、私たちが仕事を離れて私生活に戻ったときでもそういう場面はあるはずです。生活全般の中で、相手の想いを知りたいと思う瞬間は、切実かどうかは別にして、いっぱいあるはずです。
人間はどんなことにでも意味を求めるといいます。逆に言うと意味のないことはしないということです。
たとえば利用者さんが歩いているとします。無意味に歩いているのかといえば、そうではなく、職員にはわかりにくいかもしれませんが、ご本人にはそうしなければならない理由があるから、歩ているはずです。
私たちが、【理由=その人にとっての意味=想い】を知りたいと思うのは、利用者さんの想いが叶えば次の行動に移ってもらうことができるかもしれないというときです。
ただし注意しなければならないこともあります。利用者さんの行動に勝手な意味づけをしないということです。相手の想いについて考えることはとても重要ですが、自分の考えが正しい(はずだ)と考え、反射的に実行することはとても危険です。
だから、考えたことは皆に話す、相談をするということが大切になってきます。
想いを間違って理解する、あるいは解釈をすると、その人の助けになるどころか、その人の行動を制限することになりかねません。また仮に職員の考えたその方の想いが正しかったとしても、それはその場だけのことです。次におなじようなことがおきたときは、その方の想いは、もう変わっているかもしれません。誰だって人は変化します。ただひとり、利用者さんだけが変わらないということはありません。
利用者さんの行動を機械的に解釈して支援を続けることは、利用者さんの行動を阻害するばかりではなく、職員の側に引きよせようということになりかねません。
誰かの想いについて考えることは、とても難しい事です。それでも、職員として支援をする上で、相手の想いを知ろうとすることは避けて通ることができません。難しい事ですが、諦めずに続けて行く。
自分ではない別の人の想いについて考えることですから、間違えることもあるし、わからないことがあっても当然のことだと、最初から理解しておくこと。多くを期待しないことも大切です。
それに、そもそもこれが正解というものはありませんから、その時々で最善を選択し(少なくとも努力はして)、考え続けること。
そして常に自分たちが何をしようとしているのか確認をする。こういったことは常に確認をしていないと、忘れてしまいます。想いを知る努力を忘れてしまえば、対応が機械的になり、画一的になってしまいます。
とにかく、失敗や勘違いがあったとしても、諦めずに知ろうとする努力を続けて行くこと。相手の想いを知るというのはそういうことなのだと考えています。
■利用者さんインタビュー